ショパン:マズルカ 第44番  ト長調 作品67-1 遺作

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ショパン作曲:マズルカ 第44番  ト長調 作品67-1 by Tomoro




Chopin : Mazurka No.44 in G major Op.67-1 /Tomoro
● 作曲年:1830年より前
● 出版年:1855年
● 献呈者:アンナ・ムオコシエヴィチ嬢


 【ジャンル解説】
マズルカは、ショパンの祖国ポーランドの民族舞踏の一種です。
中部マゾフシェ地方の快活なマズル、
西部クヤヴィ地方のゆったりしたクヤヴィアク、
南部シロンスク地方の急速なオベレク、
の三つに分類され、主に農民によって踊り継がれてきました。

ショパンのマズルカは、それら三つの要素を巧みに融合させながら、独創的で芸術性の高い作品に仕上げられています。


 【作品解説】
《マズルカ 第44番 ト長調》は、作曲者の生前には出版されず、ショパンの死後、友人で音楽家でもあったフォンタナによって、1855年に出版された一連の遺作集に収められ、発表されました。
作品番号はその際にフォンタナが付けたもので、版によっては《第42番》としているものもあります。
最新のナショナル・エディション(エキエル版)のマズルカ遺作集では、《第48番 ヘ長調 作品68-3》に続いて6番目に収録されています。

この曲の作曲年は、ずっとパリ時代の1835年(※当時26歳)とされてきました。
その年、ショパンはカールスバート(現チェコのカルロヴィ・ヴァリ)で両親と5年ぶりの再会を果たしており、下田幸二著『聴くために 弾くために ショパン全曲解説』によると、このマズルカはその際に書かれたと言う説もあるらしくて、なので本稿でもその頃に紹介するつもりでいました。
ところが、ついこの間、エキエル版の解説に、この曲は1830年より前に書かれたとある事に気付き、なので私は、その最新の説を採って、急遽ここで紹介する事にしました。

1830年(※当時21歳)より前と言う事は、ショパンがまだワルシャワにいた最後の頃に作曲されたと言う事になります。
この頃のショパンは、ウィーンへ旅立つ事に思いを馳せる一方で、祖国を離れる事への郷愁も募らせていました。
そのせいか、それに前後して、この時期には比較的マズルカが多く書かれており、これもその中の一つと言う事になります。

このマズルカは、アンナ・ムオコシエヴィチ嬢に個人的に献呈されていたので、公式の出版作品とはならなかったようです。
そのような作品はたくさんあり、ですから遺作だからと言って、必ずしもショパンがその作品の出来に不満を持っていた訳ではないのです。
実際、この曲にしてもそうですが、ショパンの作品には、遺作にすら駄作というものがありませんからね。
また、個人献呈された側からすれば、それは、ショパンが自分のためだけに書いてくれた作品と言う、何物にも変えがたい宝物になる訳で、またそれがステイタスともなる訳ですから、ショパンが自分の気に入らない曲をそのような形で献呈するはずがありません。

このマズルカを献呈されたムオコシエヴィチ嬢については、パリ時代にフォンタナ宛の手紙で次のようにコメントされています。
「君のムオコシエヴィチ嬢は、僕の姉妹から聞いたところでは(僕が彼女について尋ねた)、彼女は不運に見舞われたそうだ;彼女は病気になってしまった。ある者が言うには肝臓の肥大で、ある者は水腫でむくんでいると;しかし水を取ったか何かしたので、彼女は今じゃ元気になって、スレンダーになり、以前のように上品になったそうだ。誰も本当の事は分からないけどね。」
(※1841年10月7日付「フォンタナ宛の手紙」より)


この曲に関しては、版による違いはペダルのあるなしくらいで、大きな音の違いはほとんどありません。
ただし、最新のエキエル版にはヴィヴァーチェ(快活に)の速度記号がなく、一音だけ他の版とオクターブ違う音があります。
私が使用しているのは従来の版ですが、ペダルに関しては個人的な判断で様々な版から取り入れています。
特に、冒頭の小節ではペダルを踏んでいない版が一般的なようなので、そこに関しては、私は敢えて踏んでいる版から取り入れてみました。


ちなみに私は、謎とされているショパンの生年月日に関しては、「1809年3月1日」説を採っております(※その根拠はこちらで)。
なので、本稿ではそれに則ってショパンの年齢を数えています。


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