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zoom RSS ショパン:マズルカ 第7番 ヘ短調 作品7-3

<<   作成日時 : 2012/09/04 23:11   >>

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♪今日の試聴BGM♪

ショパン作曲:マズルカ 第7番 ヘ短調 作品7-3 by Tomoro




Chopin : Mazurka No.7 in F minor Op.7-3 /Tomoro
● 作曲年:1831年
● 出版年:1832年
● 献呈者:ポール・エミール・ジョーンズ氏


 【ジャンル解説】
マズルカは、ショパンの祖国ポーランドの民族舞踏の一種です。
中部マゾフシェ地方の快活なマズル、
西部クヤヴィ地方のゆったりしたクヤヴィアク、
南部シロンスク地方の急速なオベレク、
の三つに分類され、主に農民によって踊り継がれてきました。

ショパンのマズルカは、それら三つの要素を巧みに融合させながら、独創的で芸術性の高い作品に仕上げられています。


 【作品解説】
《マズルカ 第7番》は、《5つのマズルカ 作品7》として出版された中の第3曲目です。
なお、最新のナショナル・エディション(エキエル版)では、この曲は第8番になっています(作品番号は同じ)。今まで《第9番 ハ長調 作品7-5》だった曲が、《第5番 作品6-5》の位置(作品番号)に変更されているからです。

ナショナル・エディションの解説によると、この曲の最も初期のバージョンの清書譜には、「ウィーン、1831年6月20日」(※当時22歳)という日付が書き込まれているそうです。

ショパンはその9日前の6月11日に、今回ウィーンに来てからようやく最初の演奏会出演にこぎつけていました。
本当ならショパンは、3月16日に開かれる予定だった歌手マダム・ガルシア・ヴェストリスの演奏会に出演するはずだったのですが、主演歌手の都合で二度にわたって延期された挙句、結局その演奏会は行われなかったそうです(※著書によっては4月4日に行われたとしているものもありますが…)。

6月11日の演奏会は王室バレエ団の第一舞踏手ドミニク・マティスのために捧げられた慈善公演で、メインの演目はガレンベルク伯作曲のバレエ《テオドシア》でした。
第一部が器楽演奏その他の部になっていて、ショパンはそこで《ホ短調・協奏曲》を演奏しました。
しかしながら、この演奏会は客の入りも悪く、結局ショパンの名声にも懐にも何ももたらしませんでした。

一昨年に初めてウィーンを訪れた時には、無名のアマチュアとして演奏会に担ぎ出されて評判を得たのに、本格的にプロとして乗り込んだ今回は、ウィーンの音楽事情の衰退や「ロシア・ポーランド戦争」などの影響から、全く思うように音楽活動ができずにいたのです。

ショパンはもはやこれ以上ウィーンに留まるのは無駄と考え、パリへ渡る準備に取り掛かります。
この《マズルカ 作品7-3》は、ちょうどそんな頃に作曲されていたのでした。

「抑えた声で」と指示されたピアニッシモの序奏のあと、オベレク、速いクヤヴィアク、マズル、遅いクヤヴィアク…と、あらゆる種類のマズルカが目くるめくように紡がれていきますが、その音楽的なまとまりと展開力には目を見張るものがあります。
この頃のショパンは、確かに演奏活動には恵まれませんでしたが、いざ作曲の方に目を向けると、いよいよその霊感の泉が本格的に沸き始めたかのような印象があり、この《マズルカ 作品7-3》を含め、のちに公式出版作となる“ピアノ独奏用の小品”を次々とものにしてきています。
これまでは、あくまでも演奏会向けの協奏的作品や室内楽作品に重点が置かれ、ピアノ独奏曲はソナタやロンドなど古典形式の作品に限られていましたし、その傍らで数多く書かれていたあらゆる種類の舞踏作品(ポロネーズ、マズルカ、ワルツ、その他)や歌曲は、そのほとんどがプライベート目的に留められたものばかりでした。

つまり、ショパンの中で、演奏会向けの大曲よりもサロン向けの小品、という彼の本分が徐々に目覚め始めていた時期でもあり、そうなるに至った外的要因として、このウィーン時代の不遇はなくてはならないものだったという言い方も出来るのではないでしょうか。

偉大な才能とは、むしろ逆境においてこそより育まれるものだったりするものですが、やはりショパンにもそのような化学作用が働いていたのかもしれません。


ちなみに私は、謎とされているショパンの生年月日に関しては、「1809年3月1日」説を採っております(※その根拠はこちらで)。
なので、本稿ではそれに則ってショパンの年齢を数えています。


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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
ショパンのマズルカにおけるマズル,クヤヴィアク,オベレクの違い、私にはいまだによくわからないです。
多くの解説書でよく見かけるし、3者のリズム型の違いが示してあったりもしますが、それに当てはまらない曲はたくさんあるし、「速いクヤヴィアク」なんて言われるともう何がなんだかわかりません。判別率は7割くらいです。

試聴音源の100小節め以降の3連符の音、これはG-As-GではなくAs-B-Asなのでは? 版の違いは恐らくないと思います。
nao
2013/06/21 00:51
nao様へ。
実はこれはトモロー・エディションによる版違いでして…ってウソです。ご指摘の通り私の間違いです。早速直させて頂きました。毎度の事ながら本当に感謝に耐えません。

ちなみにショパンのマズルカの分類に関しましては、解説書によってもまちまちだったりしていますよね。実は私自身も厳密にはよく分かっておらず、様々な意見を参考にしながら自分の感覚で解釈しております。ただ、作品を語る上で必要性を感じない限りは、特にそれについて追求しない事が多いです。
トモロー
2013/06/21 06:42

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