ショパンの作品を鑑賞する

アクセスカウンタ

zoom RSS ショパン:ピアノ協奏曲 第2番 ヘ短調 作品21(ピアノ独奏版/トモロー・エディション)

<<   作成日時 : 2011/12/30 18:24   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

♪今日の試聴BGM♪

ショパン作曲:ピアノ協奏曲 第2番 ヘ短調 作品21(ピアノ独奏版/トモロー・エディション)
Chopin : Piano Concerto No.2 in F minor Op.21 (for one piano/Tomoro edition)

第1楽章 マエストーソ by Tomoro






I. Maestoso /Tomoro

第2楽章 ラルゲット by Tomoro




II. Larghetto /Tomoro

第3楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェ by Tomoro




III. Allegro vivace /Tomoro

● 作曲年:1829〜30年
● 出版年:1836年(オーケストラ伴奏版)/2003年(ピアノ独奏版)
● 献呈者:デルフィナ・ポトツカ伯爵夫人
● 献呈者:アンダーソン夫人(イギリス版)


 【ジャンル解説】
協奏曲(コンチェルト)は、基本的にピアノやヴァイオリン等の独奏楽器とオーケストラによって競演される多楽章形式(ソナタ形式)の音楽作品です。
構成はソナタと同じですが、規模が大きいため3楽章から成る場合がほとんどです。

ちなみに、日本では「コンチェルト(協奏曲)」、「コンサート(演奏会)」という風にその両者が区別されていますが、これらは元々「共同で行なう」、「意思を合わせる」などの意味の言葉が語源となっており、たとえばイタリアでは協奏曲も演奏会もどちらも「コンチェルト(Concerto)」で、ポーランドではどちらも「コンツェルト(Koncert)」ですから、どちらの意味で使っているかは文脈や状況で異なります。


 【作品解説】
ショパンは生涯に協奏曲を2つしか書いておらず、それも1829年〜30年にかけて続けざまに制作したきりで、それ以降、オーケストラを伴う作品は、同年から翌31年にかけて書いた《ピアノとオーケストラのためのアンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調 作品22》のポロネーズ部を最後に手掛けていません。

ナショナル・エディション(エキエル版)の解説によると、ショパンの時代には、こういった協奏的作品には、以下の4タイプの演奏形態が用意されていたそうです。
  1. 1台ピアノ(ピアノ独奏)版
  2. 2台ピアノ版
  3. 室内楽版
  4. 本来のオーケストラ伴奏版
このそれぞれを、演奏場所や条件等によって使い分けていました。
大きなコンサート・ホールでの演奏会を嫌い、サロンで弾く機会が圧倒的に多かったショパンにしてみれば、尚の事、こういった楽譜の準備は必要だったのです。

本稿では今回、ちょっと趣向を変えて、この曲を私トモロー・エディションによるピアノ独奏版(1台ピアノ版)でお送りいたします。


前回(ヘ短調・協奏曲のピアノ独奏版)からの続き〜


前回は《ヘ短調・協奏曲》のピアノ独奏版をお聴きいただいた訳ですが、編集者のエキエルによると、あれはショパンが自ら1台ピアノ用に編曲したものだそうです。

しかしながら、お聴きいただいて分かるように、どう考えてもあれは、単に協奏曲のピアノ・パートとオーケストラ・パートを交互に弾いているだけで、その双方による協奏的要素はほとんど再現されていません。
その結果、所々無伴奏状態になっていたり、逆にカラオケ状態になっていたりして、文字通り「間抜け」な曲になってしまっています。
要するに、きちんと完成された作品ではないと言うか、独立したピアノ独奏曲としての体を成していないんですね。

あれはどう考えても、ショパンがオーケストレーションを構想する前の段階の叩き台として書いたものか、もしくは、生徒が将来オーケストラと共演する事を前提に一人で練習できるよう準備したものか、そのどちらかです。

現にショパンはパリ時代に、カール・フィルチと言う13歳で夭折した天才ピアニストをレッスンしていた際、フィルチが《ホ短調・協奏曲》を弾くのに、ショパン自身は2台ピアノ版のセカンド・ピアノで伴奏してやっていたそうです(※そのエピソードはヴィルヘルム・フォン・レンツ著/中野真帆子訳『パリのヴィルトゥオーゾたち ショパンとリストの時代』に書かれていますので、興味のある方は是非ともご覧下さい)。
と言う事は、フィルチは自宅に帰ってこの曲を一人で練習する際には、オーケストラ・パートをイメージしながら弾く意味でも、このような1台ピアノ用の楽譜があると非常に良い訳です。
でもそれは、あくまでも練習用であって、それそのもを演奏会で披露するためのものではありません。
なぜならそこには、作曲者が協奏曲で意図した協奏的要素が所々抜け落ちているからです。

たとえば本稿ではこれまで、オーケストラを伴うショパン作品のすべてについて、そのピアノ独奏版を紹介してきました。
 1.《「お手をどうぞ」による変奏曲 変ロ長調 作品2(独奏版)》
 2.《ポーランド民謡による大幻想曲 イ長調 作品13(独奏版)》
 3.《演奏会用大ロンド「クラコヴィアク」 ヘ長調 作品14(独奏版)》
しかしこのいずれについても、やはり協奏曲の独奏版と同様の事が言えて、私はかねてからその事に疑問なり違和感なりを感じていました。

これらの作品は、その演奏形態ゆえに、ショパン作品の中では最も演奏される頻度が低く、一般の音楽ファンもほとんど耳にする機会がありません。
そんな中、この度のナショナル・エディションでこれらのピアノ独奏版が刊行された事は、そのような状況を打開して一般に広め、その作品の素晴らしさを再認識してもらうための絶好の機会となったはずです。

それなのに、ショパンの自筆資料にこだわってこのような中途半端な独奏版を提供されても、弾く方は、プロもしくはプロを目指しているような人以外はあまり弾きがいを感じないだろうし、聴く方も、これなら本来の協奏版を聴く方がいいと言う事にもなってしまいかねないのではないでしょうか。


そこで私は、そのような不満を払拭すべく、今回このようなピアノ独奏版を独自に編集してみようと思い立った訳なのです。

…と言うと少々大げさに聞こえますが、これは単に、2台ピアノ版のセカンド・ピアノから伴奏部分と協奏部分を抜き出し、それを1台ピアノ版の「間抜け」部分に移植しただけです。
ですから、元々楽譜になかった音を勝手に付け加えるなどの越権行為は一切していません。
とは言うものの、たとえば2台ピアノ版のセカンド・ピアノの伴奏をそのまま左手1本で弾くのは物理的に不可能だったりしますから、そう言った場合は私の判断で抜き出す音を吟味し、右手との兼ね合いなどからオクターブ調整するくらいはしています。

これなら、さほど原曲のイメージを損なう事もなく、協奏曲の独奏版と言うよりは、むしろ独立したピアノ・ソナタとして鑑賞に堪え得るものにもなるのではないでしょうか。


Copyright © Tomoro. All Rights Reserved.

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by パリのヴィルトゥオーゾたち ショパンとリストの時代 の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
ショパン:ピアノ協奏曲 第2番 ヘ短調 作品21(ピアノ独奏版/トモロー・エディション) ショパンの作品を鑑賞する/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる