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zoom RSS ショパン:ポーランド民謡による大幻想曲 イ長調 作品13(ピアノ独奏版)

<<   作成日時 : 2011/06/14 10:02   >>

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♪今日の試聴BGM♪

ショパン作曲:ポーランド民謡による大幻想曲 イ長調 作品13(ピアノ独奏版)
Chopin : Grande Fantaisie sur des Airs Polonais in A major Op.13 (for one piano)

序奏 by Tomoro


Introduction /Tomoro

第1部・アリア《もう月は沈みぬ》、第2部・カロル・クルピンスキのテーマ、第3部・クヤヴィアク by Tomoro


I. AIR"Już miesiąc zeszedł", II. THÈME de Charles Kurpiński, III. KUJAWIAK /Tomoro

● 作曲年:1828年
● 出版年:1834年(オーケストラ伴奏版)/2010年(ピアノ独奏版)
● 献呈者:ヨハン・ペーター・ピクシス


 【ジャンル解説】
「幻想曲」(ファンタジー、ファンタジア)というジャンルはバロック時代以前からありますが、当時の幻想曲はフーガに近いものがありました。
一方のフーガがバロック期に形式的に確立すると、幻想曲はもっと自由で不定形なものとして発展します。
やがてロマン派の時代に、独立した性格的小品から大規模なものまで書かれるようになります。


 【作品解説】
ショパンの《ポーランド民謡による大幻想曲》は、オーケストラ伴奏付きのピアノ曲として書かれた大規模な作品で、ショパンにとって、オーケストラを伴った作品としては《「お手をどうぞ」による変奏曲》に続く2番目の作品です。

序奏は、ショパン作曲のオーケストラによる導入部から、ピアノによるノクターン風のカンタービレへのメドレー。
第1部のテーマは、18世紀後半に活躍した詩人フランチシェク・カルピンスキの牧歌『ラウラとフィロン』の「もう月は沈み、犬達も眠った」の詞による、ポーランドでは非常に有名な作曲者不明の歌曲。
第2部のテーマは、ショパンがワルシャワでプロ・デビュー・コンサートを行なった際に、そのオーケストラの指揮を務めたカロル・クルピンスキの作曲による《クラコヴィアク》。
第3部(フィナーレ)は、クヤーヴィ地方の民謡「トルンのヤショが行く」と言うクヤヴィアク。

本稿では今回、この曲をナショナル・エディションによるピアノ独奏版(1台ピアノ版)でお送りいたします。

こうしてこの頃の一連の作品を見ていくと、当時のショパンが、エルスネルの指導の下に、極めて計画的に作曲の勉強をしていた事が分かります。
前作の《「お手をどうぞ」による変奏曲》も、まずピアノ独奏用の変奏曲《ドイツ民謡「スイスの少年」による変奏曲》《4手のための変奏曲》に続いて書かれていますし、今作の《ポーランド民謡による大幻想曲》も、やはり他人の曲をベースにしたポプリ形式(※いくつものテーマをメドレーでつないでいく形式)で書かれ、その各テーマは変奏曲風に処理されています。
そして、ショパンは次回作の《演奏会用大ロンド「クラコヴィアク」》で、いよいよ自分の曲をベースにオーケストラ伴奏付きの作品を書き、《ピアノ三重奏曲》の多楽章形式を経て、そのあと、満を持してピアノ協奏曲に取り組んでいきます。
つまり、最終目標を協奏曲に定め、それに向かって、取り組みやすいジャンルから始めて徐々に難易度を上げていっているのです。

この曲が書かれたのは1828年ですが、初演されたのは1830年で、同年に完成した最初の協奏曲(ヘ短調 作品21)と共に、3月17日にワルシャワの国民劇場で作曲者自らによって演奏されます。
ショパンはそれまで、公開演奏会は慈善演奏会に客演するしかしてきませんでしたが、今回は、本格的なプロとしてのデビュー公演になります。
本番の2週間前に、ショパンは自宅でフル・オーケストラ付きでリハーサルを行い、その時の様子を報じた翌日のワルシャワの新聞『全国日報』(1830年3月4日付)で、この曲は以下のように報じられています。
「ショパンはまたカルピンスキの歌曲『ローラとフィロ』を主題にした幻想曲も披露した。この曲は協奏曲ほど技術的に難解なものではなかったが、いつもの伴奏を独特に発展させて、言葉を使わずに歌の意味を表現するのに成功した。聴衆はみなこれらの作品にたいへん感激し、中でも彼と親しい者は深い感銘を受けた。(以下略)。」(※ウィリアム・アトウッド著/横溝亮一訳『ピアニスト・ショパン〈下巻〉』より)

さらにその翌日の『ワルシャワ通信』(1830年3月5日付)でも、次のように報じられています。
「一昨日、ショパン氏の自宅で再び芸術家と音楽愛好家の集まりがあった。この若き名演奏家は自作の協奏曲と、わがポーランドの歌『月が沈む』やクルピンスキのクラコヴィアークなどをもとにしたメドレーを披露した。本誌はここで信頼の置ける評論家達の意見を繰り返したい。「若きショパンはこの町のどのピアニストをもしのいでいる。彼はピアノのパガニーニであり、彼の作品は独創性に満ちあふれすばらしいの一言である」と。」(※同上より)

このような前評判のお陰もあって、ショパンのプロ・デビューとなった演奏会のチケットは、1週間で売り切れました。
参考までに、その日のプログラムは、以下の通りです。
1.エルスネル:《序曲「レチェク・ビアリー」》
2.ショパン:《ピアノ協奏曲 ヘ短調》よりアレグロ
3.ゲルネル:《ホルンのためのディヴェルティメント》
4.ショパン:《ピアノ協奏曲 ヘ短調》よりアダージョ、ロンド
5.クルピンスキ:《序曲「セシリア・ピマゼンチンスカ」》
6.パエール:《変奏曲》 歌・マイヤー夫人
7.ショパン:《ポーランド民謡による大幻想曲》

しかしながらこの演奏会は、いい席に座っていた新聞や雑誌の批評家達からはおおむね絶賛されたのですが、そうでない席にいた一般の聴衆からは、それほどの反応が得られませんでした。

〜次回(同曲の2台ピアノ版)へ続く〜

ちなみに私は、謎とされているショパンの生年月日に関しては、
「1809年3月1日」説を採っております(※その根拠はこちらで)。
なので、本稿ではそれに則ってショパンの年齢を数えています。


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